猫の腎不全でオシッコが出なくなってから(パピが泣いた日)〜腎不全猫の最期(3)

2014年10月1日

マミがevernoteにメモを取らなくなった

【10/19】

朝起きて、ワタシがオシッコしてないのを
《ガックリ》と言うよりも《やっぱり出てないか》という悲しげな表情で確認するパピとマミ

マミは朝の挨拶に撫で撫でしてスリスリしてくれた。

でも、手も足もパンパンに腫れてて気持ち悪いし
辛くてイラっときたものだから、ついマミのお手々を噛んじゃった…

マミはしょんぼりしてたけど、いつもと同じように動物病院へ向かう。

腎不全になって以来の日課で、
通院時にタクシーから降りて2分くらい歩く間、
猫バッグから顔を出して外の空気や日差しを満喫してた。

それがワタシの楽しみだったんだけど、もう起き上がれニャい…

病院へ着いても待合室で、ただグッタリとして順番を待つだけ。

診察で呼ばれると、体重は点滴やお水の分増えてた

「まだオシッコは出ませんか?」
「はい、まだ出ません…」

先生がお腹を触って、オシッコがどのくらい作られてるか
(膀胱に溜まってるか)見てくれたけど、前日と変わってない。

だから点滴は無しになって、
昨夜と同じように利尿剤だけ筋肉注射してくれた

吸収出来てない点滴の残りで、もう手も足もパンパン、
いま出来るのは利尿剤の筋肉注射だけ。

この日、診察が終わって診察室を出る直前、
パピは唐突に先生に質問した。

オシッコ出なくなって、何日くらい持ちますか?

診察室を出かけてたマミも、
まるで猫みたいに耳を後ろに集中させてた。

「僕が昔飼ってた猫がまるちゃんとまるっきり同じ症状だったんですけど、
自分で動けなくなってから2〜3日でした

マミは、この日からevernoteにワタシの介護メモを付けなくなった…

家に帰るとパピとマミはワタシのそばに来ては
ワタシを撫でたり、好きだよと言ってくれたりする。

そして、床ずれしないようたまに向きを変えてくれる。

大好きなパピが隣に来てくれても首も動かせない。

それだって、パピは何度もワタシにお水を飲ませてくれて、
いっぱい撫で撫でしてくれる。

かなり良くなってたお目々が、また真っ黒になっちゃった。

まばたきもほとんどできなくて、パピとマミが時々上まぶたを動かしてくれた。
そうすると下まぶたが動くこともあるの。

ワタシに噛まれてしょんぼりのマミに代わって、
パピは沢山撫で撫でしてくれた。

すごく落ち着いたころ、パピは用があって2時間ちょっと近所へお出掛けした。

腎不全でオシッコが出なくなって丸三日

マミは、パピが外出してワタシと二人きりになると、ワタシのそばへ来たよ。

そして、手足はパンパンなのにげっそりした顔をじーっと見つめてたかと思ったら、めそめそと泣き始めちゃった…

腎不全で死ぬ半日前のげっそりした顔写真だけど、マミがまたショックを受けるといけないから線画にしてある。マミを泣かしてしまったワタシのげっそりしたお顔(マミがまたショックを受けると可哀想なので線画にしてあるけど、クリックで普通の写真が見られます)
腎不全で死ぬ半日前のげっそりしてるワタシの顔(マミがまたショックを受けると可哀想なので線画にしてあるけど、クリックで普通の写真が見られるよ)

マミ、心配かけてゴメンね。
でも、泣かないで!

しばらくするとマミは、ワタシが目が見えないからなのか、
自分で作った歌を歌い始める。

♪今日も明日もまるが好き〜
 毎日毎日まるが好き〜
♪パパもママもまるが好き〜
 世界で一番まるが好き〜

同じ歌を何十回でも歌ってくれるの!
パピが帰ってくるまで、マミはワタシのそばでお歌を歌ってくれた。

そして、いっぱい撫で撫でしてスリスリしてくれたの。

家事をするのに少し離れる時は、
ワタシに聞こえるように大きな声で歌ってくれたよ。

マミがお歌うたってくれるなんて、すっごく久しぶり…

けど、そうこうしている間に、
ワタシのオシッコが出なくなってから、とうとう丸三日が経ってしまった…
オシッコどころか、ウンチだって、昨日の午後、ほんの2滴出たきり。

猫が大好きなマタタビのお香(キャットインセンス)夕方、パピがメール便片手に帰ってきた。
中身は、ワタシの為にと買ってくれたマタタビのお香。

マミがマタタビのお香を焚いてくれて、とってもいい匂いだった。

けど…もうただただ寝てるだけ、
お水も上手に飲み込めニャい。

それでも、パピとマミがこれでもかって撫で撫でしたり、
話しかけたりお歌を歌ってくれたりして気分が良くなったせいか、
さっきの写真みたいなゲッソリではなくなったの!

マミもパピもワタシの表情が少し和らいで安心してくれたよ。

けど、この日は夜、利尿剤を筋肉注射しに病院へ行くのは止めた。

もう注射が効いてないのは明らかだし、
通院も筋肉注射もワタシにとっては更なる苦痛でしかない
と思ったのニャ

この日の夜は、婆ちゃんがワタシを心配して、
スナック「まる」へ遊びに来てくれた!

まだ時間的にはスナック営業前だったけど、
大事なお客さんだから夕飯をご馳走してあげたのニャ♪

スナック「まる」はいいお店なの。

婆ちゃんは「まる元気出して!」と何度も言いながら撫でてくれた。
そして、自分がいつもしてる健康祈願?の数珠をワタシの手に掛けたりしてた。

挙げ句には「まるの可愛い顔写真撮らせて!」なんて、
病気で弱り切ってるワタシの写真を撮りたがる。

マミが「今はげっそりしてるから、可愛くは撮れないよ」と言っても、
婆ちゃんは自分のガラケーを出して「撮って、撮って!」とせがむ。

マミは仕方なしに2枚くらい、
ワタシの顔をUPで写真に収めてあげた。

そうこうして、婆ちゃんは1時間半くらいして帰って行った。

この日も、パピとマミはスナック「まる」で飲んだ。
スナック「まる」営業開始して以来、一日も休み無し!

本当はお休みしないと駄目な日があったの。

パピは持病で通院があって、
事前に血液検査をするから、その前日はお酒を飲んじゃいけないの!

けど、パピもマミも色々不安だったり寂しかったりで、
クタクタなのに飲まないといられないんだって。

今日は駄目だから明日、今日も駄目だから明日…と延期して、
最終的には「ちょっと、今は無理だ! 診察を来月に延ばしてもらうわ」という事になった。

おかげで、スナック「まる」は毎日営業〜〜〜

ただこの日はマミがワタシの近くがイイと言って、
いつものカウンターテーブルからベッド脇へ来て飲んでたの。

パピは(カウンターテーブルでも)ワタシが見える位置だから、そのまま。

ベッド脇にワタシの階段替わりに置いてある低反発のクッションに、マミは座った。

そして、ワタシを撫で撫でしながら、
ヒストリーチャンネルを付けてパピとお話しながら飲んでた。

パピもマミも、ここ数日は激しく疲れ切ってた。
オシッコが出てないことへの不安と心配で
いつも以上にヘトヘトだったみたい

だから、ちょっと早めにネンネしてた。
1時過ぎくらい、だったかニャ?
マミはワタシの隣へ来た。

向きを変えてもらって、お水を飲ませてもらって、
撫で撫でされて…好きだよ〜♪とスリスリされて、
それからマミはワタシのお手々を握って寝た。

パピも少しして、ベッドの奥で寝たの。

向きを変えてくれる直前のワタシ、点滴の残りが4本の手足にあって、体とのバランスが不自然なくらいに巨大化してる。
向きを変えてもらう直前のワタシ、点滴の残りが4本の手足にあって、体とのバランスが不自然なくらいに巨大化してる。(念のために線画にしてるけどクリックで加工してない普通の写真が見られます)

パピが泣いた日

ワタシは夜中に気持ち悪くなって、
またオエッオエッてなった。

吐けるものも何もなくて、
ただ口の端っこにあぶくみたいな唾が溜まった

ワタシが苦しくて動くものだから、
手をつないだままのマミが気付いて起きた。

口の周りをキレイに拭いてくれて、
お水を飲ませようとしてくれた。

ほとんど飲めてなかったけど、
口の中の気持ち悪いのが取れるだけでもさっぱりするからね、とマミは言ってた。

マミはパピを起こすか悩んだみたいだけど、
ワタシの体勢を変えたくてパピを起こした。
(パピの方が上手に体勢を変えられてワタシの負担が軽いから)

パピに向きを変えてもらって、でもまた気持ち悪くなった

苦しくて、前足の先をギュって握っちゃうくらい。
それを見て、マミはお手々をつないでくれた。

苦しいのが少し収まったらお水を飲ませようと、
パピはシリンジにお水を入れて準備してた。

ワタシは苦しいニャ! と口を開けた。
その後、あまりに辛くて声が出た

でも、でも、それが最後。

パピはお水を飲ませようとワタシを見て、
首から胸のところが動いてないのに気付いたよ。

「まるが死んじゃった」

そう言いながら、パピは泣いてた。

マミは信じられないのか、ワタシの胸に耳を当てたりしてた。

ワタシの大好きな、
世界で一番大好きなパピが泣いてた。

「まる、お疲れ様…ありがとう♪」って言いながら、泣いてた。

パピ、ごめんなさい…
パピが大好きなの、だから泣かないで!

パピとマミが二人一緒に泣いてた。

でも「3時45分、くらいかな…」
そう言ってパピは泣くのを止めたの。

マミが心配だから。

「まるの目を閉じてあげたいけど、どうしたらいいの?」

パピはPCで調べようとしたけど、
手が震えて調べるのを諦めてた。

二人で代わる代わる、ワタシのまぶたを抑えようとしてた。

とにかく、このまま電気毛布の上に寝かしておいたらマズイよねと、
ベッドの奥にあるソファへクッションとペットシーツを敷いて、その上にワタシを移動した。

二人とも本当に疲れ果ててた。
マミはソファに寝かされたワタシと手をつなぐと寝てしまった。

二度目にオシッコが出なくなって三日と半分、84時間。
これがワタシの限界だったの。

パピ、マミごめんね。
でも、ワタシ結構頑張ったでしょう?

猫の腎不全でオシッコが出なくなってから〜腎不全猫の最期(1)
猫の腎不全でオシッコが出なくなってから〜腎不全猫の最期(2)
パピ、マミとお別した日〜腎不全猫の最期(4)